実際に中の人がMollの調声をする上で気づいた事などを書いていきます。
ここに載ってる以外にもなにかいい方法があるかもしれません。
あくまでも個人的な意見です。
〜目次〜
・各音源の特性
-しらばっくれて第3版音源
-新版音源
・英語でUTAわせる手順
-@平仮名で、カタカナ英語の歌詞を入力する
-A英語発音に変換
-Bおま☆かせを使った調声
-C捏造した /
/ 音の修正
Mollには、「旧版音源」「新版音源」「しらばっくれて第3版音源」があります。
「新版音源」より、「しらばっくれて第3版音源」のほうが新しいですww
旧版音源は試験的に作った仮音源なので、旧版音源についての記述は省きます。
多分、どのバージョンもbre=0 推奨。
基本セット
普通の日本語用の音源と英語専用の音源が同じフォルダに入った、
似非バイリンガル音源です。
「新版音源」の、【基本セット+連続音(ラ行だけ)+語尾息+追加音素(ラッパと咳以外)】
みたいな感じの構成です。
中の人は、あんまり英語がしゃべれない・聞き取れない・読み書きができないので、
英語専用音源の発音はかなり適当です。
中の人が発音できない音素も含まれていません。
英語の歌詞入力はカタカナ英語を元にしているので、
・日本語の歌詞の場合とほぼ同じように母音結合の操作ができる
・他の日本語用音源にカタカナ英語でUTAわせたUSTを改変して使える
などといった利点があります。
また、日本語と英語に共通する発音や似た発音の音源が日本語と英語で共用なので、
音源ファイルの容量が少なくてすみます。
新版音源より英語がたどどしいような…orz
↓音源
中の人に発声できるギリギリの低音が原音になっており、
基本セット音源と声質が違います。似非男声音源としても使えなくはないかも。
「新版音源」の↓音源よりも、音の通りがいい気がします。
基本セット
基本的に、「しらばk(ry 第3版音源」と同じ感じですが、なんかこもった音質です。
↓音源
これも、「し(ry 第3版音源」とだいたい同じです。
音質等は、第3版音源のほうがいいと思います。
↑音源
高音部補完用に作ったはずだったんですが、
基本セットの音源が意外と高音耐性があるので、
中の人本人はほとんど使っていません。
どう考えたって無理な音階で使うくらいのものでしょうか。
原音は、中の人に発声できるギリギリの高音のため、
活舌がかなり悪い上に、基本セット音源の声質ともかけ離れています。
普通の音階で使うと不気味な声になるので
そういう系のネタで使うと良いのではないでしょうか。
連続音
耳ロボリストなので、基本セットと併用して使います。
この連続音音源だけoremoで録音したためか、
語頭の単独音由来の音素との違和感がある気もします。
というか、この連続音のデモ曲作成以外で
連続音音源の調声が苦手で、あんまりさわってないので、
なんかよく分かりません\(^o^)/
語尾息音源
よく、他の音源の語尾息音源がセクシーだと言われていますが、
Mollの語尾息音源はあんまりセクシーではないように思います。
裏声音源
声楽系の曲に合いそうですが、
調声の仕方次第で、しんのすけ的な何かになる気がしなくもありません。
ラ行など、子音が強すぎる音素がありますが、
下の図みたいにエンベロープの出だしを斜めにするとましになります。
ビブラートを強めにかけたり、
休符の前のエンベロープをいじってフェードアウトさせたりすると、
よりオペラ声っぽくなります。
ロリ声音源
子供っぽい活舌・声質のつもりで撮った音源。
「子供は、口の大きさに対して舌が長すぎるから舌足らずな発音になる」
という話をどこかで聞きかじったので、それが本当なのか実験してみた結果です。
ちょっと舌がはみ出すくらいの感じで発声しました。
追加音素
・「ん」が4種類
・基本セットのやつとは別の巻き舌音
・英語用の追加音素
・咳とかラッパっぽい音とか
が入っています。
日本語・英語ともに、基本セットだけでなんとなくなんとかなりますが、
もうちょっと細かい調声をしたい方向けです。
旧版音源公開動画をうpした当時より分かってきた事が多いので、
ここで改めて解説します。
新版音源基本セットの音源だけを使う方法を中心に書いていきます。
「きらきら星」の英語版の、
Twinkle Twinkle Little Star, How I Wonder What You Are という箇所でやってみます。
とりあえずこんな感じでいきましょう。
ノートをShift+右クリックでリストが出てくるので、
音素対応表のpdfと辞書を見ながら該当するものを選んでください。
注意:
※1 子音郡について
日本語だと、子音の次にはほぼ必ず母音が来ますが、
英語などでは子音が連続して発されることもままあります。
音節の最初の母音の出だしが音符の最初と一致するように、
右の画像のように修正します。
※2 /t/と/d/ の発音表記について
語頭の /t/ 音は、カタカナ英語だと
「トゥ」と表記される事が多いですが、
Mollの発音表記だと、 /t/ の発音は「と_t」になっています。
これは、it=イット、delete=デリートなどのように、
/t/ を「ト」というカタカナ英語で表記することが多いからです。
この /t/ と同じように、 /d/ も「ど_d」になっています。
※3 / / の発音について
/ / 用の原音はないので、
/i/ 音で代用する(音素対応表に載ってるやり方)か、
/e/ 音と /i/ 音を並べて捏造するかのどちらかで対応します。
ここでは、後者のやり方をとります。
他にも、中の人が発音できないために省いたものがいくつかありますが、
それに関しては対応表どおりに打ち込んでください。
「新版音源」の追加音素や、「しらばっくれて第3版音源」の基本セットには、
/ /の音が入っています。
※4 無声子音+ /l/ の発音について
Twinkle の"kle" の部分や、Little の"tle" の部分の発音は、辞書によって
/kl/ /tl/ と表記していたり、 /k l/
/t l/ と表記していたりします。
Mollの場合は、 /k l/
/t l/
のほうが自然に聞こえるように思います。
※5 母音 /r / について
Star, Wonder, Are などの単語は、カタカナ英語で
「スター」「ワンダー」「アー」のように、最後が長母音で表されますが、
これらは二重母音なのでそれぞれ修正します。
これらの二重母音の後半の /r / 音は、Mollの発音表記では「あ_r」となっています。
※6 無声子音単独の音素について
Mollは、基本的に bre=0 推奨ですが
つ_ts/ぷ_p/と_t/く_k/す_θ/ふ_f/す_s/しゅ_∫/ちゅ_t∫ の、
9種類の無声子音単独の音素に限って、
bre=100 で、音量を50〜60%にすると比較的自然になります。
この作業をするのに、別におま☆かせでなくてもいいとは思いますが、
中の人はほとんどおま☆かせしか使わないので、これで説明していきます。
まず、おま☆かせで、母音結合とポルタメントを同時に設定します。
すべて選択→こんな感じでおま☆かせ。
この状態で再生すると
↓こうなります。
二重母音と語尾の /l/ 音が不自然なので、これもおま☆かせで修正します。
( // 音もおかしいですが、
その説明は後ほど。)
とりあえず、例として一番最初の /l/ 音を修正します。
1小節目の「る_l」のノートだけを選択状態にして、
こんな感じでおま☆かせをかけます。
これと同じ操作を、下の図の印がついているノートすべてに対して行います。
さらに、エンベロープが交差した箇所を正規化した状態で再生すると
こうなります↓
※この工程は、「しらばっくれて第3版音源」や「新版音源」の追加音素を使う場合はあてはまりません。
Aで捏造した / / 音がおかしいので、修正していきます。
1小節目の「うぇ」のノートを 右クリック→長さを変更 で、長さを確認します。
この長さを覚えておいて、次の「い」のノートのプロパティを開きます。
先行発声に、さっき確認した「うぇ」の音の長さである120を、
オーバーラップに、「うぇ」の長さ+「い」の長さである300を、
それぞれ入力します。
この「い」が選択されたままの状態で、右上の
「クロスフェードのエンベロープをp1とp4で設定」のボタンをクリック。
びっくりマークが出たので、正規化します。
これと同じ操作を、下の図の印がついているノートすべてに対して行います。
この状態で再生したのが、
↓これです。
(「しらばっくれて第3版音源」や「新版音源」の追加音素を使う場合は、
/
/
音をここに書いてあるとおりに捏造するのではなく、
「い_ェ」という音を、母音分割で適当にくっつけると良いと思います)
あとは他の音源と同じように、細かい調整をして完成です。
ついでにオケとあわせて、
↓こうなりました。ダセェwwww